新型コロナ「国の将来を左右する分かれ道」

私は前回、もうそろそろ、このコロナの話は止めてディズニーの話でもしようかと思っていたのですが、最近の政府の動きを見ていて、日本の行く末が心配になりましたので、もう少しお付き合いください。

 

このコロナ禍、「国民の命と経済を守る」これが国を引っ張っていく政府の、安倍さんの役目です。今日は私が安倍さんだったらどうするのかという切り口で行きたいと思います。

 

7月17日、政府が強引に?前倒しに進めようとした「Go Toトラベルキャンペーン」がいきなり、東京は除くとなり、何で・・・と各マスコミがやかましくなっています。この事業は経済再開の目玉というべきものなのに、出発地、目的地として最大の東京が抜けたら、どういう意味があるのでしょう。生活に困っている人への30万円の特別給付金が一律10万円給付に変わった時もそうでしたが、この頃政府の迷走状態が続いているように見えます。ついこの間まで、何が何でもこの「Go Toトラベルキャンペーン」はやる、と言い切り、8月からと言われていたキャンペンーンを7月22日に前倒しにしたと思ったら、専門家や与野党からの反発で押し切られ、突然の骨抜きです。以前のリーダーシップはどこへ行ってしまったのでしょうか。このような緊急事態の時ほど強いリーダーシップを発揮してほしいのに残念でなりません。ですが、私が安倍さんの立場だったら初めから、この「Go Toキャンペーン」は今やりません。やってもお金をばらまくだけであまり効果が期待できないからです。

 

今、安倍さんがすべきことは何でしょうか

今回の新型コロナウイルスは異常な「危機的自然災害」です。或る意味東日本大震災以上のクライシスなのです。このウイルスは目に見えません。しかしじわじわと真綿で首を占めるように生活に影響を与えていきます。人が動かない、動けないということはお金が動かない、動けないということで、企業にとって自由な経済活動ができない、売上・利益を上げられないということに繋がっていきます。各企業の売上・利益が上がらないということは私たちの給料が、収入が上がらない、若しくは下がっていくということです。人によっては職を失うということになるのです。生活を脅かすだけではありません。自由な生活が奪われ精神的にも、陽性になれば肉体的にも危害を及ぼされるということです。

 

今、私達は将来どうなるのか、コロナはいつ終息するのか、不安を抱えながら生活をしています。安倍さんがすべきことは、この漠とした不安を解消し、以前のような安全、安心、自由な世界を国を取り戻すと大きな方針を打ち出す必要があります。

そして、「コロナ終息後のあるべき姿」を示し、そのビジョン達成のためのプライオリティをつけたロードマップ(方針や対策)を打ち出すことです。それも何時までにと期限を区切ることが必要です。

今のように、安全と経済を両立させながら国を動かすというのは、ずーっと今の不便な生活を続けなければならなくなり、経済が元に戻ることはありません。安倍さんはこのコロナ禍が始まった時から、コロナを抑え込むというより、経済再開に力を入れているように見えました。ですから、緊急事態宣言解除も前倒し、今回の「Go Toトラベルキャンペーン」も中身がまだ詰まっていないのに前倒しで進めました。

今、すべきは「安全・安心を勝ち取る」ことなのです。安全と経済の両立ではなく、まずこの方針を明確にすることです。

 

それでは「安全・安心を勝ち取る」ために何をすべきなのでしょうか?

それは「ワクチン・治療薬の開発」以外にありません。全ての問題には原因があります、問題を解決するには原因を取り除くための解決策を打つ、これはビジネスの基本です。今回の新型コロナウイルスはワクチン・治療薬がないために各国が苦労をしているのです。インフルエンザのように治療薬があれば以前のように自由に活動している中で新型コロナウイルスに罹っても直せるという安心感があります。多くの人はそれには1年なのか2年なのか時間がかかる、と決めつけていますが、私なら6ヵ月と期限を区切り、それこそ日本の各製薬会社、大学や研究所、産学官の総力を結集すればできないことはないと思うのです。日本にはノーベル賞を取れるほどの優秀な技術、研究開発力があります。そこに最大限の予算をつけて開発をするのです。

第1次、第2次補正予算を見ますと、第1次補正予算(25.7兆円)、第2次補正予算(31.9兆円)、総額57.6兆円、これは実に令和2年の国家予算一般会計102兆円の約6割に相当します。中を見ますと総花的に経済活動、企業・生活支援のための予算を中心に様々な活動に予算をつけています。「Go Toキャンペーン」は1兆7000億円、これは官民を挙げた経済活動の目玉として位置づけられています。これに対して、「治療薬・ワクチンの開発」は第1次補正予算では「感染拡大防止策と医療体制の整備及び治療薬の開発」として1兆8千億円、内、◎ 産学官による治療薬の研究開発・200億円、 ◎ 国内におけるワクチンの開発支援・100億円 ◎ 国際的なワクチン研究開発等・216億円、

「ワクチン・治療薬の開発」に関する予算は合計516億円です。第2次補正予算では「治療薬ワクチン」として2055億円計上していますが、これには研究開発と銘打っていませんので、購入する薬を指しているのだと思います。だとすると「ワクチン・治療薬の開発」は補正予算の0.09%、仮に第2次補正予算の「治療薬ワクチン」2055億円をいれたとしても0.4%です。あまりにも少な過ぎです。というより全く力を入れていないのがわかります。新型コロナに打ち勝つ「ワクチン・治療薬」ができたら、世界中から感謝されるだけでなく新たなビジネスチャンスも広がっていきますし、東京オリンピックパラリンピックも成功に導くこともできます。

今日(7/18)の日経新聞に「米中コロナテック躍進」という見出しが大きく載っていました。コロナテックとは新型コロナウイルスに端を発した諸問題を解決する技術やサービスのことで、この新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、米国と中国を中心に有力なスタートアップが続々と生まれているとありました。この4~6月を見ると新たに22社がユニコーン企業価値が10億ドルを超える未上場企業)となり、国別では米国が13社、中国が3社、米中がイノベーションを次々と生み出し、新型コロナと共存する新しい世界をリードしているというのです。10年前に中国に経済大国2位の座を奪われ、ITの世界でも米中に後れを取っている日本、今や技術立国日本の影がどんどん薄くなっています。このような時、経済や社会の激変期は逆に大きなチャンスです。「新型コロナのワクチン・治療薬の開発」で世界をあっと言わせたいものです。私ならここの予算に何兆円かけてでもこの半年で新ワクチン・治療薬を生み出し、来年の東京オリンピックパラリンピックも世界中から人を集めてみたいと思います。コロナを機会に「メディテック日本(メディカルテクニック)」として世界をリードするのです。

その間私達は例の「新生活様式(3密、ソーシャルディスタンス、検温、マスク、手洗い)」を余儀なくされますが、期限を区切っての我慢は耐えられるものです。今のように経済再開と感染拡大の懸念と背中合わせの状況では日本が沈没することがあっても浮かび上がることができません。総花的、羅列的にやりたいことを並べているのではなく、

  1. ワクチン・治療薬開発
  2. 並行してPCR検査の拡充、実態の把握
  3. 医療体制の充実
  4. 休業支援・補償体制と雇用の維持
  5. 官民を挙げた経済活動の回復
  6. IT先進国へe-Japan戦略見直し
  7. 強靭な経済構造の構築

こんな感じで優先順位をつけ、ロードマップを描いていきます。

 

今、小松左京の「日本沈没」をアニメ化した「日本沈没2020」が話題になっています。

本当に日本が沈没してしまったら、洒落になりません。「陽沈む国」ではなく「陽昇る国」にしたいものです^^

 

令和2年7月18日