このコロナ禍、今、日本がすべきことはワクチンの開発

 

8/22の日経に「未曾有の減収、企業窮地に」・・・世界1万社の4月~6月を見てみると4社に1社が売上3割減、長引けば継続危うく・・・とありましたが、日本にいる私の実感からするともっと厳しい状況に置かれていると思います。

特に私が関係してきた会社が中小企業ということもあるかもしれませんが(日本では99.7%が中小企業、0.3%が大企業、従業員5人以下の小規模企業は全企業の9割弱を占めている)、政府の休業補償や資金援助には限界があり、私の周囲の会社にヒアリングしてみると今の状況が続くと店を閉める、倒産するという声が聞こえてきました。中には既に占める検討に入った企業もあります。仮にこのコロナによる各種の制限(ソーシャルディスタンス、外出制限、渡航制限、入場制限等)が続きましたら、1年後には日本経済の根幹をなす中小企業の倒産件数は大幅に増えることは間違いありません。経済産業省の西村さんは経済回復に懸命に取り組んでいらっしゃいますが、このまま行けば、近い将来、日本の経済はさらなる景気低迷に陥ります。

何度も言いますが、人が動かなければ、自由な行き来が無ければ経済が100%元に戻ることは考えられません。ですから感染予防と事業回復の双方を同時に進めるというのは間違いなのです。まずは「ワクチンの開発」です。その間、国は医療体制を充実させ、命と企業を守る最低限の補償をし、国民も我慢をしなければなりません。

 

今、国はこのワクチン開発を米英任せになっています。アストラゼネカ(英)、ファイザー(米)は9月の実用化に向けて努力しているようです。政府はこれを調達すると言っていますが、他人任せで良いのでしょうか。1補正予算、第2補正予算と合わせると62兆円を超える膨大な予算がこのコロナで使われようとしています。「Go Toトラベルキャンペーン」で13000億円もの予算が使われるなら、何故、ワクチンの開発に力を入れないのでしょうか。日本の医療系の大学病院、研究機関、製薬会社に開発予算をつけ、期限を区切って開発をさせるのです。国の命運をかけての開発ですから、日本の研究陣の総力を挙げれば、米英中には負けないぐらいのものを作れるはずです。日本では塩野義製薬アンジェスが開発を進めているようですが、来春、来秋実用化と周回遅れの感じがします。今からでも遅くはないと思います。「ワクチン開発はすべきでない」とおっしゃる方もいます。コロナウイルスは免疫を回避する厄介なウイルスで、抗体はできても治らないというのです。確かにそれもあり得ると思います。以前のMERS、SARSコロナウイルスでした。ウイルスは形を変えて生き続けます。だからと言って拱くのではなく、その時々のウイルスに合うワクチンを開発すれば良いのです。ですから、今、米英が先行しているようですが、今のコロナに効くのかはまだわかりません。また学術的な研究開発というのは、やったらやった分だけ手順や素材、様々な方法、臨床結果、無駄になるものではありません。次回必ず役に立ちます。

 

厚生労働省経済産業省に従事している方々、医療関係機関の方々、決起して欲しいと思います。特に国に大きな方針を示して欲しいのです。この開発ができれば、世界中の人から感謝されるのは間違いありません。