コロナで日本沈没!!

 

" 日本沈没古くて新しい言葉、今の日本の政治、経済状況を見ていると近い将来起きそうな感じがして怖くなります。ブログも他の話題に進もうと思っているのですが、今の政府の動きが気になり、またまたコロナに逆戻りです。

 

日本沈没」は小松左京が1973年に発表したSF小説です。あの頃は日本の高度成長真っ只中でしたが、狂乱物価/オイルショック/インフレによる社会不安が絶えず付きまとっていました。あれから昭和、平成、令和と時は流れ、低成長の時代になりました。右肩下がりの世の中、不安の種が、少子高齢化/労働の流動化/格差社会による将来の不安に移り、それに追い打ちをかけるように「コロナ感染症」が発生しました。

何度も言いますが、このコロナ禍は目に見えません。しかし2011年の東日本大震災よりも大きな被害を日本中に与えているのです。経済活動が止まるということは賃金が下がります、失業者が増えます、また行きたいところへ行けません、会いたい人に、自由な活動ができないということです。それは時間と共に精神的、肉体的な不安を増長させていきます。東日本大震災の時はあの忌まわしい福島原発事故が起きましたが、あの損害を入れても二十数兆円の損害との試算があったと思います。このコロナはどうでしょう。コロナのための第1次、第2次補正予算を合わせるとこれから60兆円を超します。ただその中を見てみると具体案には乏しく、また経済再生の有効打になるものが少ないのが現状です。私にはこの緊急時に今までできなかったことを寄せ集め、予算案にしたように見えるのです。将来を見通した案が殆どありません。

最近あの「日本沈没」が「日本沈没2020」とアニメ映画化(すみません!!私はまだ見ていません・・・^^)されました。「日本が国を失い、放浪の民になったら」がテーマのこの映画、国を失うことはないにしても、この危機の時に強力なリーダーがいない漂流日本つい思い描いてしまいました。目に見えないけれどじわじわとボディブローのように効いてくるコロナ。今、あらゆる手を打たないと立ち上がれなくなり、日本は世界3番目の経済大国からさらにずり落ちてしまいます。政府にその危機感が全くないと思うのは私だけでしょうか。

 

このコロナ感染症は未曾有の「自然災害」です。このコロナがさらに勢いを増しているのに、政府はクライシスマネジメントとしてもっと危機感を持って欲しいと思います。

 

それなのに、つい先月の「Go Toトラベル」キャンペーンを強行突破、実施するというのですから驚きです。「不要不急の外出は控えろ、3密は避けろ」と片方で言いながら、出かけることにお金を出すという理不尽さに国民は戸惑いを覚えていました。旅行は不要不急ではないと言えるのでしょうか?大きなこの矛盾のために1兆6794億円の巨額の税金を使うのです。早く経済を再開したい気持ちは痛いほどわかるのですが、政府が前倒しした、「緊急事態宣言解除」5/25、そしてこの「Go Toトラベル」も前倒しで7/22に始めると決めました。ともに拙速です。「Go Toトラベル」は中身が詰まっていないものですから、各旅行会社は大慌てです。その最中、東京は感染者が増えて危ないからと実施直前に除外になりました。今度は予約した人のキャンセル料はどうするのかで現場はまた混乱に陥ります。今回のコロナを巡っては一度出した方針が直前で翻るということが何度あったことでしょう。あきれるばかりです。

そもそも、この「Go Toトラベル」何故今やらなければならないのでしょうか。多くの方が疑問に思われている中で、無理やり補正予算の中に盛り込まれました、これを推進してきた人として、安倍さん最側近と言われる経済産業省出身の今井直哉氏、経済産業省産業政策局長の新原浩朗氏、適切な対応をするよう話す、インバウンドを推進してきた菅官房長官、全国旅行業会会長であり、平成の時代から長く旅行・観光業界に君臨してきた二階俊博自民党幹事長、」の名前が挙げられています。中でも、旅行業界からの献金4200万円(文春報道)が事実だとすれば、二階さんが自分の立場を利用して強力に進めていったのではないか勘繰ってしまうのです。また、公明党はどうなのでしょうか。支持母体の創価学会には観光業・サービス業に従事している方も多く推進派だと聞いています。現に赤羽一嘉国土交通大臣は観光産業の900万人の雇用を守るためにこの「Go Toトラベル」を推進して行かなければならないと言っています。ですが、このキャンペーンは東京を除外しただけではなく、若者、高齢者は避けて、またあまり旅館から出ないで欲しいと要請しています。一体誰のための事業なのでしょうか。これで本当に大きな効果が得られるのでしょうか。観光・旅行業界を救いたければ、補助金を出しても良いのです。このコロナが再燃し、また緊急事態宣言が出されたら、損失は20兆円に及ぶとも言われています。このキャンペーンは「宿泊・日帰りの旅行代金の2分の1相当額を支援するとあります。その中身はというと、旅行代金(宿泊費+交通費)の7割負担は良いのですが3割は「地域共通クーポン券」となっています。旅行会社を調べてみますと、9月1日から実施予定とあるところ、また、何も触れていないところがありました。まだ決まっていないことが多く、載せることができないのでしょう。現場を無視して片肺飛行になっているようです。

 

安倍さんは

8月6日に広島で記者会見をしました。その時に「緊急事態宣言」「Go Toトラベル」についてこのように語っています。

「政府方針として、重症者や死亡者の数は抑制で来ている。直ちに緊急事態宣言を出す状況ではない」また、お盆シーズンの一律帰省、自粛は呼びかけず「Go Toトラベル」キャンペーンを引き続き推進して行く考えを示しています。それでいて、首相は「3密を避ける、大声で話さないといった基本的な感染防止策を徹底するようお願いしたい」と要請しています。私からするとやると決めたことはやる、だけれど判断は国民に丸投げ、全く緊迫感が無いように受け取れてしまうのです。またこの日、安倍さんから嫌われている朝日新聞社の記者が「総理、質問があります」と食い下がった時のことです。

「コロナ感染拡大で国民の不安が高まっているのに、何故50日近くも国会を開かないのでしょうか」と質問をしました。それに対して「あのですね、今回もですね、コロナウイルス感染症について割と時間をとってお話をさせて頂きましたし、節目、節目において会見させていただきたいと考えておりますし、また日々、西村担当大臣、菅官房長官からもお話をさせていただいていると思います」と答えていました。

このことに今の政府関係者の危機管理の様子がわかるというものです。

最近の西村経済再生担当大臣の言動はどうでしょうか。

少し前のことですが、

  1. 政府対応に不満を漏らした吉村府知事に「何か勘違いされているのではないか・・・」と上から目線。
  2. 専門家会議を廃止する・・・専門家会議の尾身さんたちが別の会議に出席していたときに発言(専門家会議の人は誰も知らされていなかった。会議を軽んじている、勝手に動いている)。
  3. もう誰も「緊急事態宣言」と言われたくない、休業もしたくないでしょ。皆が努力しないとこのウイルスに勝てませんよ!!・・・自分たちを棚に上げて悪いのは国民と言わんばかり。
  4. これだけクラスターが発生している中、協力的でない、ガイドラインを重視していない店舗に陽性者が出たら、店名を公表して行きたい・・・これも国民任せ。」

これが政府の正式見解だとすると日本の将来に暗澹たる気持ちになってしまうのです。対策本部の副本部長加藤厚生労働大臣はつい、8/4に「緊急事態宣言を出す可能性もある」と言っていました。その2日後には「直ちに出すつもりはない」と安倍さんは完全否定、何を信じて行けば良いのでしょう。あの民主党でもこんなにひどくはなかったと思います。

このコロナ以降、何かにつけ「専門家の皆様の意見を聞いて・・・」「担当大臣に任せているから・・・」と他人任せ、人任せ、これで良いのでしょうか。

先ほどの朝日新聞記者の「何故、50日近くも国会を開かないのでしょうか?」

この質問にまともに答えていません。今回は法で決められた150日間、このような問題山積の国家存亡の危機の時に6月17日に閉会、最低限の150日ピッタリで閉会してしまいました。あの東日本大震災が起きた2011年の通常国会はどうでしょう。あの民主党でさえ1/24~8/31、220日開いています。その翌年も229日間、開いており政府の必死さが伝わってきます。「悪夢のような民主党」と笑えないどころか、どなたかが仰っていたように「悪魔のような・・・」と言われないようにしてほしいものです。

大きな国の存亡の危機の時、ご自分の言葉で、本気になって、リーダーシップをとって頂きたい、と思います。以前、安倍さんと東日本大震災の時の菅さんを比較して、私はこんなことも言いました。「当時菅さんも一生懸命やっていたけれど、内閣支持率が10%に落ち込んでいった。安倍さんはそれよりまだましで、5月の時点で29%ある。だけどここで力を抜くとあれだけ盤石だった体制も大きく崩れ、危険水域に入ってしまう」と。

また、

危機管理の時に求められるトップ像として、

  • 迅速な対応
  • 誠意ある対応
  • 自ら陣頭指揮を執る、逃げない。

 

を挙げました。安倍さんは総論的には良いことも言うのですが、後は部下任せ、今は逃げているように見えるのです。

前回も言いましたが、今、政府のなすべきことは「コロナ感染症の抑え込み」と「経済の再開」の両立ではなく明確なプライオリティを持つこと、優先順位ナンバーワンは「治療薬・ワクチンの開発と検査医療体制の確立」が急務です。特に、治療薬・ワクチンの開発は期限を区切り、もっと横断的に日本の先端技術を駆使し、研究開発力総出で対応するのです。新薬が開発でき、安全安心が得られれば、世界の経済戦争においても優位に事を運ぶことができますし、各国からも感謝されること間違いありません。補正予算予備費の全てをぶち込むつもりでやれば可能だと思います。その間は3密を避け、国民に我慢を強いるのもやむを得ないと思います。

 

日本沈没2020」YouTubeを見ていた時、「沈まぬ希望」という言葉が目に入ってきました。私は決してあきらめませんし、今の若い人たちの力を信じていますし、国を支える若い人たちに如何に協力できるのか考えていかなければなりません。政治家は「国の将来のあるべき姿を示し、国家・国民の安心、安全を守り、平和・幸福・繁栄に尽力する」ことが仕事です。絶対に負の遺産を残してはならないのです。

 

令和2年8月7日