ディズニー フィロソフィー その3

 

 

『  パークはまるで生き物のようである。

  木々も成長を続けていくように、全てが歳を重ねるごとに美しさを増している。   

  常に創意工夫を続け,新しいものを付け加えることによって、

パークを永遠に成長させ続けることができる  』

 

1983年4月15日に開業して以来、TDLは絶えず、成長させ続けています。パークは永遠に未完成なのです。

ディズニーのすごいところはアトラクションやテーマパークを創り続けている「WDI」という存在があることです。これはカリフォルニアのディズニーランドを創ろうとしたときに生まれた会社でウォルトの遺志を受け継いでいるイマジニア達がいる会社です。ですから、TDLができた時には、もう10年先を見越した「将来開発構想」に基づき 新しいことにチャレンジし、新しい魅力を付け加え続けているのです。後に私もマスタープランチームの一員として、プロジェクトマネージャーとしてその仕事に従事できたこと、今思うとオリエンタルランドに感謝しています。

TDLは当初、600億円位(あの頃、後楽園遊園地が270億円?!と言われていました)でできるだろうと始めましたが、それが膨らみ続け、800億円、最終的には1800億円かかりました。今でしたら経営者の首が飛ぶかもしれない大きな出来事です。お金が無かったオリエンタルランド、その時の高橋政知社長はすごい方でこれは聞いた話ですが、ご自身の渋谷松濤町にあったお屋敷を担保に入れたり、当時の千葉県知事、副知事、銀行の頭取を始め責任者の方々に頭を下げ、銀行協調融資団を結成、そうやって出来上がったパークです。私は今でも高橋政知さんを尊敬していますし、高橋政知さん無くしてパークはできなかったと思います。借金まみれのOLCですが、次を見据え新しい投資をして行きます。この借金返済ができたのは開業して数年経ち、旧本社跡地を売却してからでした。

  

この言葉は企業だけでなく、人も、全てのものに言えると思います。

勿論、あなた自身にも・・・^^

(つづく)

ディズニー フィロソフィー その2

 “私たちは地球上で一番素晴らしい場所を夢に見、創造し、デザインし、

    建設することができる、しかし、それを現実のものにするのは人である“

                     ウォルト・E・ディズニー

 

この言葉も、私の好きな「ディズニーフィロソフィー」の一つです。

企業の成長には人財の質の向上が全てです。仕事は厳しくて当り前、その中でも「生き生きと楽しく働ける環境」作り、そして「人財育成」を図るマネジメントがいる企業が大きく成長しています。

 

ビジネスは「人」ですと数多くの経営者、学識経験者たちは言ってきました。特にマーケティングのフィリップ・コトラー氏、以前「思いやりの仕事術・・・仕事も人生も思いやりで成果が上がる」とか「マーケティング・・・人との繋がりを作る活動」と言ったことが、私の考えに近い感じがします。最近では人間中心マーケティング理論と実践として「H2Hマーケティング」なる考え方を打ち出していますが、それらは全て、「会社は人」に焦点を充てなければならないということを言っています。H2H「Human to Humanですが、同様にディズニーの現場でも当たり前のように言われていたのは「Heart to Heart」です。私には後者の方が長年使っていますので、馴染みがあり、全く違うジャンルから同じ様な処に帰結して行くのが面白いと思います。余談ですがディズニーの飲食施設では「Hand to Handという言葉もあり、ゲスト対応の時には会話と手渡しが原則です。ですから、ディズニーのバフェテリアサービスでは作り置きをせず、ゲストが見ている場で、口頭でメニュー説明をし、心を通わせ、盛付をし、笑顔で手渡しするのです。

ウォルト・ディズニーの世界も私に「お客様のことを徹底的に考える」「働く従業員のことを徹底的に考える」ということが企業の根幹であることを気付かせてくれました。

 

ディズニーの世界を離れてから随分経ちますが、ディズニーの世界を知れば知るほど、笑顔があふれる職場になっているか、私たちの商品がお客様にとって価値あるものになっているか、会社の存在意義は何処にあるのか、絶えず考え続け、実行に移さなければ「お客様のために存在する企業」になれないと思うようになりました。多分ディズニーと深く関わり、仕事をした人の中には私と同じように思っている人が数多くいると思います。

ディズニー フィロソフィー その1

 ウォルト・ディズニーは、枠にはまった学校の勉強が嫌いで中学中退です。しかし、夢(自分のしたいこと)を諦めず、時代をよく読むことに優れ、アイデアに富んだ天才的なプロデューサーでした。そして、アメリカを代表するクリエイティブな実業家でもありました。彼が残した数々の名言は現代でも十分に通じるものがあります。

特にこの言葉はどうでしょう?!

 

「浮き沈みの激しいわたしたちの業界では過去の栄光に固執することも、いま手にして

いる名誉に酔うことも許されない。時代も私たちを取り巻く状況もめまぐるしく変化す

る。だからこそ、つねに将来に向けて目標を設定しつづけなければならない。」

                          ウォルト・E・ディズニー

 

 これは今から八、九十年前にウォルト・E・ディズニーが言った言葉です。当時はまだ資本主義は未だ黎明期、時間もゆったりと流れていた時代ですが、現代でも通用する資本主義の本質を突いた言葉だと思います。ウォルトは時代や世の中の流れをよく読み、今何をなすべきか絶えず考えていましたので、モノづくりの本質を捉える言葉が出てきたのだと思います。そしてこの言葉は今でもあらゆる業種業態に通用します。他がやらない、やっていないことに絶えず着目し、どうしたらできるのか徹底して考える、この絶え間ない革新力、そして妥協を許さない本物を追求するウォルト、だからこそ今も通用するのです。言い換えれば、これは素晴らしい商品を創り上げる「作る人」の立場から物事を見ているのです。企業は価値があり、競争力のある「商品(=作品)」が無ければ市場への進出はできません。また、どんな競争力を保った強い商品でも、時代の流れ、人々の嗜好や流行、科学の発展に伴い、求められるものが変わってきます。ですから、その時代に応えられる新しい価値を生み出さなければ、コモディティ化され、いずれは淘汰される運命にあるのです。おまけに、その時代に求められるもののサイクルは年々短くなっています。だからこそ、今は最良、最高のものであっても、つねに将来に向けてさらに良いものを目指して行かなければならないのです。

オペレーション・・・スピール、ナレーション

開業時、驚いたのが運営部の「スピール・ナレーション」だけで専門の講師がいたのです。その方はNHKのアナウンサーをされ、退職なさった方で話すことのプロフェッショナルでした。確かOさんという方だったと思います。

 Oさんは「人前で上がるのを直す処方箋は練習に練習を重ねるしかない」と仰っていました。まだ、若かった私はにはとても参考になりました。運営部のキャストに対して「幸せ売りの皆さん」と言って、おもてなしをするプロには失敗は許されませんとも言っていました。「スピール(speil)」はキャストがゲストに対して安全やショーの内容について事前にアナウンスすることです。また、「ナレーション(narration)]」は上演前、上演中語り、解説です。運営部のキャストからこのクラスに参加しないかと誘われたことがあるのですが、心から素直に自然なおしゃべりができるようになるには、恥ずかしさを捨てて床を転げまわる、大声を上げたり突拍子もない基礎訓練をしなければならないといわれ、怖気づいてしまいました。

 また最も大事なことは「自分が楽しくなければ、ゲストを楽しませることができない」と仰っていたことです。笑顔で話しかければ言葉も柔らかくなり、悪い印象を与えることはない、まさにその通りだと思います。多分、Oさんの、あのようなクラスがあったことが、今も綿々と受け継がれ、TDR全体のコーテシーに役立っているのだと思います。

TDLのメニュー テーマ性

久々登場です。

これからはゼペットじいさんらしく、私がひも解くディズニーの世界について話していこうと思います。ノスタルジーさんかな!^^

 

TDLの中の「マイルロングバー」というカウンターサービス、この店がどこにあるかご存知ですか?意外と知られていないのが驚きです。これはウエスタンランドの「ハングリーレストラン」の中に併設され、正面入って右手にあります。

 

 ここは開業時、スープとホットドッグ・サンドウィッチの店としてスタートしました。マイルロングバーの名前の由来はカウンターの両サイドを覗けばわかります。カウンターがどこまでも続いているのです・・・マイル・ロング・バー^^その秘密は両サイドにある鏡です。そうですよね、両サイドに会ったら永遠にカウンターバーが続いて見えますよね。これがディズニーの遊び心です。そういえば、ここに自動演奏ピアノがあり、メロディを奏でていました。

 

 また、メニューも当時ウエスタンランドという西部開拓史時代のテーマ性を考え、ホットドッグは「パイオニア」、ツナサラダサンドウィッチは「トレイルブレザー・・・開拓者」、ハムサンドウィッチが「ホームステッダー・・・入植者の農家」とネーミングもテーマに合ったものになっていたのです。今この店のメニューがどうなっているかわかりませんが、ディズニーではメニューの名前一つとってもゲストにそのエリア、その世界を十分楽しんでもらおうと気を遣っているのです。

 

 そして、ハングリーベアレストランのカレーソースについては様々な意見がありました。香辛料をたっぷり使った本格的なインド風のカレーソース、小麦粉を使った家庭的なソース、最終的にはやはりここはファミリーエンターテイメント、当時一流のコックさんが研究を重ね、日本人の子供にも味のうるさい大人にも合うような味に仕立てました。1月にここでカレーを食べましたが、相変わらず、美味しかった・・・けれど隣を覗かずに来てしまいました。誰か覗いてみてください^^

このコロナ禍、今、日本がすべきことはワクチンの開発

 

8/22の日経に「未曾有の減収、企業窮地に」・・・世界1万社の4月~6月を見てみると4社に1社が売上3割減、長引けば継続危うく・・・とありましたが、日本にいる私の実感からするともっと厳しい状況に置かれていると思います。

特に私が関係してきた会社が中小企業ということもあるかもしれませんが(日本では99.7%が中小企業、0.3%が大企業、従業員5人以下の小規模企業は全企業の9割弱を占めている)、政府の休業補償や資金援助には限界があり、私の周囲の会社にヒアリングしてみると今の状況が続くと店を閉める、倒産するという声が聞こえてきました。中には既に占める検討に入った企業もあります。仮にこのコロナによる各種の制限(ソーシャルディスタンス、外出制限、渡航制限、入場制限等)が続きましたら、1年後には日本経済の根幹をなす中小企業の倒産件数は大幅に増えることは間違いありません。経済産業省の西村さんは経済回復に懸命に取り組んでいらっしゃいますが、このまま行けば、近い将来、日本の経済はさらなる景気低迷に陥ります。

何度も言いますが、人が動かなければ、自由な行き来が無ければ経済が100%元に戻ることは考えられません。ですから感染予防と事業回復の双方を同時に進めるというのは間違いなのです。まずは「ワクチンの開発」です。その間、国は医療体制を充実させ、命と企業を守る最低限の補償をし、国民も我慢をしなければなりません。

 

今、国はこのワクチン開発を米英任せになっています。アストラゼネカ(英)、ファイザー(米)は9月の実用化に向けて努力しているようです。政府はこれを調達すると言っていますが、他人任せで良いのでしょうか。1補正予算、第2補正予算と合わせると62兆円を超える膨大な予算がこのコロナで使われようとしています。「Go Toトラベルキャンペーン」で13000億円もの予算が使われるなら、何故、ワクチンの開発に力を入れないのでしょうか。日本の医療系の大学病院、研究機関、製薬会社に開発予算をつけ、期限を区切って開発をさせるのです。国の命運をかけての開発ですから、日本の研究陣の総力を挙げれば、米英中には負けないぐらいのものを作れるはずです。日本では塩野義製薬アンジェスが開発を進めているようですが、来春、来秋実用化と周回遅れの感じがします。今からでも遅くはないと思います。「ワクチン開発はすべきでない」とおっしゃる方もいます。コロナウイルスは免疫を回避する厄介なウイルスで、抗体はできても治らないというのです。確かにそれもあり得ると思います。以前のMERS、SARSコロナウイルスでした。ウイルスは形を変えて生き続けます。だからと言って拱くのではなく、その時々のウイルスに合うワクチンを開発すれば良いのです。ですから、今、米英が先行しているようですが、今のコロナに効くのかはまだわかりません。また学術的な研究開発というのは、やったらやった分だけ手順や素材、様々な方法、臨床結果、無駄になるものではありません。次回必ず役に立ちます。

 

厚生労働省経済産業省に従事している方々、医療関係機関の方々、決起して欲しいと思います。特に国に大きな方針を示して欲しいのです。この開発ができれば、世界中の人から感謝されるのは間違いありません。

 

コロナで日本沈没!!

 

" 日本沈没古くて新しい言葉、今の日本の政治、経済状況を見ていると近い将来起きそうな感じがして怖くなります。ブログも他の話題に進もうと思っているのですが、今の政府の動きが気になり、またまたコロナに逆戻りです。

 

日本沈没」は小松左京が1973年に発表したSF小説です。あの頃は日本の高度成長真っ只中でしたが、狂乱物価/オイルショック/インフレによる社会不安が絶えず付きまとっていました。あれから昭和、平成、令和と時は流れ、低成長の時代になりました。右肩下がりの世の中、不安の種が、少子高齢化/労働の流動化/格差社会による将来の不安に移り、それに追い打ちをかけるように「コロナ感染症」が発生しました。

何度も言いますが、このコロナ禍は目に見えません。しかし2011年の東日本大震災よりも大きな被害を日本中に与えているのです。経済活動が止まるということは賃金が下がります、失業者が増えます、また行きたいところへ行けません、会いたい人に、自由な活動ができないということです。それは時間と共に精神的、肉体的な不安を増長させていきます。東日本大震災の時はあの忌まわしい福島原発事故が起きましたが、あの損害を入れても二十数兆円の損害との試算があったと思います。このコロナはどうでしょう。コロナのための第1次、第2次補正予算を合わせるとこれから60兆円を超します。ただその中を見てみると具体案には乏しく、また経済再生の有効打になるものが少ないのが現状です。私にはこの緊急時に今までできなかったことを寄せ集め、予算案にしたように見えるのです。将来を見通した案が殆どありません。

最近あの「日本沈没」が「日本沈没2020」とアニメ映画化(すみません!!私はまだ見ていません・・・^^)されました。「日本が国を失い、放浪の民になったら」がテーマのこの映画、国を失うことはないにしても、この危機の時に強力なリーダーがいない漂流日本つい思い描いてしまいました。目に見えないけれどじわじわとボディブローのように効いてくるコロナ。今、あらゆる手を打たないと立ち上がれなくなり、日本は世界3番目の経済大国からさらにずり落ちてしまいます。政府にその危機感が全くないと思うのは私だけでしょうか。

 

このコロナ感染症は未曾有の「自然災害」です。このコロナがさらに勢いを増しているのに、政府はクライシスマネジメントとしてもっと危機感を持って欲しいと思います。

 

それなのに、つい先月の「Go Toトラベル」キャンペーンを強行突破、実施するというのですから驚きです。「不要不急の外出は控えろ、3密は避けろ」と片方で言いながら、出かけることにお金を出すという理不尽さに国民は戸惑いを覚えていました。旅行は不要不急ではないと言えるのでしょうか?大きなこの矛盾のために1兆6794億円の巨額の税金を使うのです。早く経済を再開したい気持ちは痛いほどわかるのですが、政府が前倒しした、「緊急事態宣言解除」5/25、そしてこの「Go Toトラベル」も前倒しで7/22に始めると決めました。ともに拙速です。「Go Toトラベル」は中身が詰まっていないものですから、各旅行会社は大慌てです。その最中、東京は感染者が増えて危ないからと実施直前に除外になりました。今度は予約した人のキャンセル料はどうするのかで現場はまた混乱に陥ります。今回のコロナを巡っては一度出した方針が直前で翻るということが何度あったことでしょう。あきれるばかりです。

そもそも、この「Go Toトラベル」何故今やらなければならないのでしょうか。多くの方が疑問に思われている中で、無理やり補正予算の中に盛り込まれました、これを推進してきた人として、安倍さん最側近と言われる経済産業省出身の今井直哉氏、経済産業省産業政策局長の新原浩朗氏、適切な対応をするよう話す、インバウンドを推進してきた菅官房長官、全国旅行業会会長であり、平成の時代から長く旅行・観光業界に君臨してきた二階俊博自民党幹事長、」の名前が挙げられています。中でも、旅行業界からの献金4200万円(文春報道)が事実だとすれば、二階さんが自分の立場を利用して強力に進めていったのではないか勘繰ってしまうのです。また、公明党はどうなのでしょうか。支持母体の創価学会には観光業・サービス業に従事している方も多く推進派だと聞いています。現に赤羽一嘉国土交通大臣は観光産業の900万人の雇用を守るためにこの「Go Toトラベル」を推進して行かなければならないと言っています。ですが、このキャンペーンは東京を除外しただけではなく、若者、高齢者は避けて、またあまり旅館から出ないで欲しいと要請しています。一体誰のための事業なのでしょうか。これで本当に大きな効果が得られるのでしょうか。観光・旅行業界を救いたければ、補助金を出しても良いのです。このコロナが再燃し、また緊急事態宣言が出されたら、損失は20兆円に及ぶとも言われています。このキャンペーンは「宿泊・日帰りの旅行代金の2分の1相当額を支援するとあります。その中身はというと、旅行代金(宿泊費+交通費)の7割負担は良いのですが3割は「地域共通クーポン券」となっています。旅行会社を調べてみますと、9月1日から実施予定とあるところ、また、何も触れていないところがありました。まだ決まっていないことが多く、載せることができないのでしょう。現場を無視して片肺飛行になっているようです。

 

安倍さんは

8月6日に広島で記者会見をしました。その時に「緊急事態宣言」「Go Toトラベル」についてこのように語っています。

「政府方針として、重症者や死亡者の数は抑制で来ている。直ちに緊急事態宣言を出す状況ではない」また、お盆シーズンの一律帰省、自粛は呼びかけず「Go Toトラベル」キャンペーンを引き続き推進して行く考えを示しています。それでいて、首相は「3密を避ける、大声で話さないといった基本的な感染防止策を徹底するようお願いしたい」と要請しています。私からするとやると決めたことはやる、だけれど判断は国民に丸投げ、全く緊迫感が無いように受け取れてしまうのです。またこの日、安倍さんから嫌われている朝日新聞社の記者が「総理、質問があります」と食い下がった時のことです。

「コロナ感染拡大で国民の不安が高まっているのに、何故50日近くも国会を開かないのでしょうか」と質問をしました。それに対して「あのですね、今回もですね、コロナウイルス感染症について割と時間をとってお話をさせて頂きましたし、節目、節目において会見させていただきたいと考えておりますし、また日々、西村担当大臣、菅官房長官からもお話をさせていただいていると思います」と答えていました。

このことに今の政府関係者の危機管理の様子がわかるというものです。

最近の西村経済再生担当大臣の言動はどうでしょうか。

少し前のことですが、

  1. 政府対応に不満を漏らした吉村府知事に「何か勘違いされているのではないか・・・」と上から目線。
  2. 専門家会議を廃止する・・・専門家会議の尾身さんたちが別の会議に出席していたときに発言(専門家会議の人は誰も知らされていなかった。会議を軽んじている、勝手に動いている)。
  3. もう誰も「緊急事態宣言」と言われたくない、休業もしたくないでしょ。皆が努力しないとこのウイルスに勝てませんよ!!・・・自分たちを棚に上げて悪いのは国民と言わんばかり。
  4. これだけクラスターが発生している中、協力的でない、ガイドラインを重視していない店舗に陽性者が出たら、店名を公表して行きたい・・・これも国民任せ。」

これが政府の正式見解だとすると日本の将来に暗澹たる気持ちになってしまうのです。対策本部の副本部長加藤厚生労働大臣はつい、8/4に「緊急事態宣言を出す可能性もある」と言っていました。その2日後には「直ちに出すつもりはない」と安倍さんは完全否定、何を信じて行けば良いのでしょう。あの民主党でもこんなにひどくはなかったと思います。

このコロナ以降、何かにつけ「専門家の皆様の意見を聞いて・・・」「担当大臣に任せているから・・・」と他人任せ、人任せ、これで良いのでしょうか。

先ほどの朝日新聞記者の「何故、50日近くも国会を開かないのでしょうか?」

この質問にまともに答えていません。今回は法で決められた150日間、このような問題山積の国家存亡の危機の時に6月17日に閉会、最低限の150日ピッタリで閉会してしまいました。あの東日本大震災が起きた2011年の通常国会はどうでしょう。あの民主党でさえ1/24~8/31、220日開いています。その翌年も229日間、開いており政府の必死さが伝わってきます。「悪夢のような民主党」と笑えないどころか、どなたかが仰っていたように「悪魔のような・・・」と言われないようにしてほしいものです。

大きな国の存亡の危機の時、ご自分の言葉で、本気になって、リーダーシップをとって頂きたい、と思います。以前、安倍さんと東日本大震災の時の菅さんを比較して、私はこんなことも言いました。「当時菅さんも一生懸命やっていたけれど、内閣支持率が10%に落ち込んでいった。安倍さんはそれよりまだましで、5月の時点で29%ある。だけどここで力を抜くとあれだけ盤石だった体制も大きく崩れ、危険水域に入ってしまう」と。

また、

危機管理の時に求められるトップ像として、

  • 迅速な対応
  • 誠意ある対応
  • 自ら陣頭指揮を執る、逃げない。

 

を挙げました。安倍さんは総論的には良いことも言うのですが、後は部下任せ、今は逃げているように見えるのです。

前回も言いましたが、今、政府のなすべきことは「コロナ感染症の抑え込み」と「経済の再開」の両立ではなく明確なプライオリティを持つこと、優先順位ナンバーワンは「治療薬・ワクチンの開発と検査医療体制の確立」が急務です。特に、治療薬・ワクチンの開発は期限を区切り、もっと横断的に日本の先端技術を駆使し、研究開発力総出で対応するのです。新薬が開発でき、安全安心が得られれば、世界の経済戦争においても優位に事を運ぶことができますし、各国からも感謝されること間違いありません。補正予算予備費の全てをぶち込むつもりでやれば可能だと思います。その間は3密を避け、国民に我慢を強いるのもやむを得ないと思います。

 

日本沈没2020」YouTubeを見ていた時、「沈まぬ希望」という言葉が目に入ってきました。私は決してあきらめませんし、今の若い人たちの力を信じていますし、国を支える若い人たちに如何に協力できるのか考えていかなければなりません。政治家は「国の将来のあるべき姿を示し、国家・国民の安心、安全を守り、平和・幸福・繁栄に尽力する」ことが仕事です。絶対に負の遺産を残してはならないのです。

 

令和2年8月7日